|
駆除の実践を最優先に活動する私たちは、議論や啓発活動を中心とする他団体と連携することは滅多にないのですが、滋賀県主催の駆除大会には参加協力しています。これは日頃から駆除した外来魚の回収でお世話になっていることへの感謝とお礼を込めてのことです。以前は駆除した外来魚をメンバーが持ち帰り畑に埋めるなど、釣り上げた外来魚の処分にも時間や労力を割かねばなりませんでしたが、駆除ボックスの設置により駆除そのものに集中できるようになりました。今年も滋賀県主催の外来魚ノーリリース釣り大会に定例駆除の日程を変更しての参加です。 9時からの開会を待たず、7時すぎには駆除を開始。前日に湖が荒れていた影響で、外来魚は漁港内に多く集まっていました。バスは時折25〜30cmほどの個体が混じるものの10〜20cmのサイズが主で、対してギルは、数は少ないものの15〜20cmの良い型がみられました。大会全体での駆除成果は33kg、そのうちバスターズの7名に愛知から昨年も参加し私たちと一緒に駆除した2名の青年を加えた釣果は522尾24.0kg。さわやかな秋晴れに恵まれた美しい湖北の風景の中での駆除でした。企画・運営に当られました滋賀県当局の皆様、お疲れ様でした。なお、コクチバスを見ることはありませんでした。
ようやく涼しさを感じるようになった11月。昨年からこの時期には湖東北部の漁港で駆除しています。冬期のバスの溜まり場となる水路への入り口になっているこのポイントで、冬越しのために集まってくるバス・ギルを迎え撃つ作戦です。しかしこの場所は風の影響をまともに受けるのが難点。数日前には木枯らし1号が吹き荒れ、この日も冬型の気圧配置。現場に着くといやな予感は的中。この強風では釣りにならないと判断し、水路のポイントへ移動します。水路にはまだオオカナダモがびっしりと茂っており、水は澄んでいて水量少なめ。これで釣れるのだろうかと思いつつ準備をしていると、水に落とした餌の付いていない仕掛けが動きます。引っ張りあげるとバスが掛かっていました。どうやら藻の中にはたくさんのバス・ギルがおり、たいへん飢えているようです。向かいの運動公園ではシティマラソンの開会式の真っ最中。と、聞き覚えのあるあの大声、「キアイだぁー!オイ、オイ、オィー!」。ゲストに来ていたんですね、生では始めて聞きました。この気合に乗せられたのか、バス・ギルの喰いは絶好調、終日入れ喰いでした。サイズは全体的に小型で重量は59.5kgに留まりましたが数は多く1151尾。ここでは一人あたり200尾は駆除できる、ということで、これが次回からの努力目標となりました。
11月24日の東京新聞朝刊、「必殺!釣り人が駆除」という見出しでバスターズの駆除活動が紹介されました。これは外来魚の生態系への影響のみならず、その原因となった違法な「密放流」、その背後にいる釣り業界などの存在にまで踏み込み、バサーや業界勢力と対立しながら駆除を続けてきたバスターズの理念を説く良い記事になっています。この記事をきっかけとして、テレビ局の取材が続くことになります。この模様は11月27日にテレビ朝日系列「ワイド!スクランブル」、12月3日にTBS系列「ブロードキャスター」、12月12日に日本テレビ系列「スッキリ!!」で相次いで放映されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。取材は放映日直前の定例駆除の模様が中心でしたが、平日の取材を希望したテレビ局もあり、これには急遽仕事の都合をつけたメンバーが対応しました。11月26日には1979尾102.6
kg(参加8名)、12月2日には928尾47.8kg(6名が交代で参加)を駆除し、12月10日の2265尾146.8
kg(参加14名、新規参加3名含む)をもって、外来魚バスターズ結成以来の通算15トン駆除を達成しました。
テレビ局の取材意図について、私たちは事前に十分には知らされていませんでした。もとより編集された番組の内容について関与できるものではありません。ワイドショーでは番組の性格上、また外来魚問題に詳しいコメンテーターの不在などにより、外来魚問題を深く扱うには限界があるでしょう。私たちの活動の理念などが正しく伝わってない部分もあったと感じてはいます(これらについては、近々このHPに掲載する予定です)。しかし、「水面下に大量の外来魚がひしめく異常な琵琶湖の姿」と、 「外来魚は釣ることによって駆除できる」というふたつの「事実」は、十分に伝わったのではないでしょうか。この事実の前には、「在来魚の減少は外来魚とは無関係である」などの使い古されたバス擁護論など何の説得力も持ちません。事実を報道するために、私たちの要望を聞き入れ、バスの警戒心を煽らぬよう黒っぽい服装に身を包み、できるだけ静かに撮影するなど配慮いただきました撮影スタッフの皆様に感謝いたします。
外来魚問題に対してもともと意識の高かった滋賀県などの一部地域を除くと、おそらくブラックバスやブルーギルという名前は知っていても姿を見たことのない人が大多数と思われます。ましてや外来魚の蔓延を実感として持っているのは滋賀県の方でもそう多くないでしょう。バスターズの駆除では1日に2000尾もの外来魚が釣れることはいまや珍しくありませんが、驚嘆する取材陣を見てこの異状を再認識し、外来魚の蔓延という重い真実を広く知らしめることの重要性を感じました。そして現在の琵琶湖には、「バス・ギル大型個体の減少」、それにともなう「在来魚の復活」など、報道すべき価値 のある事実がまだたくさんあるのです。もちろんこれらの価値ある事実は、時期を限らず年間を通して自ら駆除を実践してはじめて認識できるのです。
番組では磯竿にエビ撒き釣りというバスターズ釣法が紹介されていましたが、道具と餌を用意すればただちに大量駆除ができるというわけではありません。技術の習得には個々人の一定の訓練が必要ですし、湖産エビの調達と保管・搬送、駆除ポイントを維持するためのオオカナダモの刈り取りなど、メンバーひとりひとりのこまめな努力の積み重ねに支えられている要素が多くあります。以前よりは少なくなったものの駆除の現場ではバサーによる妨害があります。その中で年間数トンの駆除を何年も続けていくには、外来魚駆除への鉄の意志が必要となります。
外来魚バスターズの15トンへの歩みは困難を克服する過程でもありました。関西一円を中心に一部東海地方からの琵琶湖への集合は、慣れるまでは努力を要するものでした。また、バス擁護派の執拗な罵倒・中傷や脅迫とも闘わなければなりませんでした。しかし全国の心ある人々の支援と激励を受けて、15トンの駆除を達成できました。今年最後の定例駆除となった12月24日には、4年連続での年間3トン突破ともなりました。外来魚バスターズは次なる20トン駆除に向けて、新たな力強い歩みを開始いたします。
|